検察の在り方検討会議、今日は午前10時から会議が行われる。私は大阪出張の関係で午後から出席する。
大震災に加えて、原発事故による放射能汚染が食物、水道水にまで及び、世の中が混乱している時期に、検察の在り方という日本社会にとって重要な事項について今月末に提言案を公表するのが適切か。それを社会で受け止め、咀嚼し、今後の検察の信頼回復に結び付けていくことができるのか疑問だ。震災発生直後の会議が中止になり、座長から提言案骨子について意見を求められた段階で、取りまとめを延期すべきとの意見を書面で提出した。
2011年3月17日
震災に続き、福島原発事故の深刻化で、まさに日本の社会全体が危機的状況にある中で、今回の会議の成果を今月末までに取りまとめるのは困難であり、適切ではないと思います。少なくとも一ヶ月程度は、取りまとめを延期すべきだと思います。
現在、私は、総務省顧問として被災地、被災者からの情報をで収集し、総務省、官邸サイドに提供することや民間ベースでの被災地支援の話をまとめることに加え、重要な事項については、総務大臣、官邸等への提案も行ったりしており、他の仕事はほとんど手がつけられない状況です。被災地では、水、食糧がなくなり、餓死者が出る寸前とまで言われている地域もあり、それに対する政府の対応体制は不十分です。
私にとっては、このような状況下で、これまでの「検察の在り方検討会議」の議論について、議事録等に基づいて落ち着いて検討することは不可能です。
骨子を見せてもらいましたが、少なくとも、私がこれまでの会議で述べてきた意見がこの骨子に反映しているようには思えませんし、今後、提言案の中でどのように取り扱われるのかもよくわかりません。
意見の羅列ではなく、委員全体の総意として提言をとりまとめるとすると、まだ相当な時間をかけて議論をする必要があると思いますが、残り僅かな時間で、しかも、このように我が国の社会が危機的事態にある中で、落ち着いた議論が十分にできるとは思えません。
今も、その考えに変わりはない。議論は粛々と続けるとしても、提言案の公表は、少なくとも半月から1ヶ月延期すべきだ。
今、この国は、震災と原発事故による危機的事態に対して国民全体で全力で立ち向かうべき状況であり、それによって他のことに十分な関心を向けることは到底困難な状況だと思います。
少なくとも、昨年以来今回の震災発生までは社会の重大な関心事であった検察不祥事の問題について抜本的検討を行った成果としての提言取りまとめの時期としては、今月末という時期は、極めて不適切であり、社会的に見ても、この問題を、軽く扱ったという印象を与えることになると思います。