国民の命を守るため、安倍内閣総辞職を~新型肺炎危機対応のため超党派で大連立内閣を

 新型コロナウイルスで、日本国内で、感染経路のわからない感染者が多数確認され、また、初の死亡者も出たことで、昨日から事態の深刻さは一気に高まった。ザルのような「水際対策」に頼り、「37.5度以上の発熱」、「呼吸器症状」に加えて「湖北省への渡航・居住歴」を検査の条件としていたことで、多くの感染者が「水際対策」をすり抜け、日本国内で急速に感染が拡大していたことは明らかであり、日本政府の対応の拙劣さは、全く弁解の余地がない。

 横浜港で停泊中のクルーズ船ダイヤモンドプリンセスでは、3000名を超える乗客乗員が船内に閉じ込められ、感染者が急増しており、下船した乗客の多数が重症となっている。乗員乗客を長期間船内に閉じ込める対応が不合理極まりないものであることが指摘され、国際的な批判が相次いでいる(【クルーズ船の日本政府対応 海外で非難の声も】)。常識的に見て、政府の対応は、「船内監禁感染拡大事件」と言ってよい大失態だ。

 このような政府の対応に対しては、早くから、上昌弘氏(医療ガバナンス研究所理事長)が、1月24日の時点で既に【「新型肺炎」日本の備えに不安しか募らない理由】で問題を指摘していた。また、船内検疫の専門家の指摘も相次いでいた。

 あまりに拙劣な日本政府の対応によって、国民を新型ウイルス感染の重大な危険と恐怖に晒すことになったのはなぜなのか。その「根本的な原因」はどこにあるのか。

 7年以上も続いた安倍政権下において、官僚の世界が強大な政治権力に支配され、自己保身のための忖度ばかりして都合の悪いことは隠蔽することがまかり通ってきた。そういった緊張感の無さが常態化してしまったことによる「官僚組織の無能化」が根本的な原因としか考えられない。それは、「桜を見る会」問題に見る、政権の意向を唯々諾々と受け入れるしかない官僚組織の対応とも共通する。

 安倍政権の危機管理能力の欠如は、森友・加計学園問題の際にも指摘してきた(【籠池氏問題に見る”あまりに拙劣な危機対応”】【加計学園問題のあらゆる論点を徹底検証する ~安倍政権側の“自滅”と野党側の“無策”が招いた「二極化」】)。

 ただ、これらの問題は、その拙劣さが、政権内部の問題にとどまっていたため、国民に被害・損失を被らせることにはならなかった。

 しかし、今回の新型コロナウイルスの問題は全く異なる。今後、日本政府の適切な対応が行われなければ、多くの日本国民が生命の危険に晒されることになる。

 では、今の安倍内閣に、国民の生命に危険が生じている状況への適切な対応が期待できるだろうか。それは「絶望的」と言わざるを得ない。これまで多くの問題に対して安倍内閣が行ってきたことに照らせば明らかであろう。

 最大の問題は、これまでの安倍内閣は、政権の維持・責任の回避を最優先し、問題の根本に目を向けようとして来なかったということだ。今回は、何より国民の生命が最優先されるべきだが、果たして安倍内閣にそれが行えるのか。全く期待できない。

 日本政府の適切な対応の障害になり得るのが、まず、今後の感染の拡大如何では、今年の夏開催される予定の東京オリンピック・パラリンピックへの影響が生じかねないことだ。もちろん、「国民の生命」と「東京五輪の開催」と、どちらを優先すべきかは言うまでもない。しかし東京五輪開催中止が日本経済に与える影響が、安倍内閣の判断に様々な影響を及ぼす可能性があることは否定できない。

 また、最大の懸念は、これまでの日本政府の拙劣な対応の責任を回避することを優先する対応が行われ、当初の中国で問題になったような、責任回避のための隠蔽的な行為が行われるおそれもあることだ。「桜を見る会」問題での対応を見れば、もはやこの点について、安倍内閣を信頼しろと言っても無理だ。

 このような日本政府の大失態に対して、今後、野党が国会で追及姿勢を強めていくのは当然だが、それが政府の対応をますます「自閉的」にすることになり、政府の対応を一層混乱させる可能性もある。

 このような状況において、国民の生命を守る方法は、「安倍内閣総辞職」しかあり得ない。そして、この危機的な状況を突破するための超党派の「大連立内閣」を作ることだ。危機的な状況を脱したら、再び内閣総辞職し、総選挙によって、新たな国会の下で政権を組織すればよい。

 「内閣総辞職」によって、国会でのこれまでの安倍内閣の失態や失政に対する論戦には一気に終止符が打たれ、国会での論戦を、危機対応のための重要な議論の方に向けることができる。そして、もともと有能であるはずの日本の官僚組織も、安倍政権による「責任回避」の呪縛から逃れ、国民の生命を守るために、自ら考え、主体的かつ積極的な行動を起こすことも期待できる。

 新型コロナウイルスから国民の生命を守るために、「安倍内閣総辞職」を求める声を上げていくことができるのは、我々国民しかない。

nobuogohara について

弁護士
カテゴリー: 政治, 新型コロナウイルス パーマリンク

国民の命を守るため、安倍内閣総辞職を~新型肺炎危機対応のため超党派で大連立内閣を への4件のフィードバック

  1. 伊東秀子 より:

    郷原弁護士の御提言は実に的確で、かつ、緊急を要する提言だと思います。安倍総理は、国民の生活や権利に対する責任の自覚もなく、そこに想いを馳せることすら全くできない人格の自己中心主義者です。自己への権力の集中と憲法を変えることしか関心と執着がない総理に、今のような国民にとっての最大の危機の政治を任せることはできません。本来はまじめな官僚たちまでが、官邸に対する忖度組が大手をふるって出世していく上層部を見ていて志をすっかり喪失しているとしか思えません。ご提案の国民運動を起こすしか方法はないと思います。ぜひ、広く呼び掛けていきましょう。 札幌 伊東秀子(弁護士)

  2. 高妻明憲 より:

    内閣総辞職して、国難突破のために大連立。大胆な提案ですが、確かに今の状況では真剣に考慮すべきかもしれません。

  3. kaz murata より:

    中華人民共和国とは、事実上西欧の植民地であり、その共産党が管理・監視を行っていたのであり、人民は奴隷として利用されていた。ところが近年、支配国を公然と凌駕すると宣言し、現実的な軍事・経済・科学の計画までも公示する。遅れ馳せながら、西欧は支那を敵と正しく認識し、封じ込めの政策を始めた。  今回の武漢生物兵器使用によって、この流れが直ちに加速される。かつてのソ連を「鉄のカーテン」で囲って、ヒト、物、金、の交流を禁じた様な状態になりつつあり、反グローバル化の傾向は強化される。よって、世界の工場としてのみ存在価値を維持する支那は、その経済の基盤を失い、故に政治体制も崩壊するだろう。巨大な船が沈没する際、周りの小さな船も渦に巻き込まれて沈むことがある。日本船はかなりの紐で繋がっているので、綱を切るのを躊躇っているうちに心中するかもしれない。  戦後70年間、日本の政治家、指導者、機関、企業、官僚は本当の危機を経験したことがないので、いつも米国の顔色を見ていればなんとか行けたので、今回は初めての人体実験となる。習近平の来日、オリンピックとか、観光業界を心配し、日本の伝統、3猿の処世術、見ない、聞かない、喋らない、で問題を無視、先送り。これこそが、日産自動車が倒産になった原因でもある。今の日本は、ナチス・ドイツと同盟を結び、負け戦を続け、政府も軍も何もできずに敗戦に進んでいた状態に似ている。つまり、指導者がいない仕組みの問題がいまだに解決されていない。江戸時代があまりに長かった為、安全、安心、安定、清潔な環境でしか生存できない脆弱な国になってしまったのかもしれない。

    kaz murata, 206 324 1483 home ellensburg, wa. 

  4. 通りすがり より:

    連立内閣が妥当かどうかはいろいろ意見があると思いますが、現政権のウィルス対策は全く信用できないのは同感です。新型ウィルス対策については、次のような問題があります。

    ①PCR検査は民間企業が容易に出来るのにも拘わらず、政府はこれまで国家独占とし、かつ、「湖北省しばり」によって、既に発症している患者すら検査が受けられない状態を継続させていたことが分かり、今月13日のテレ朝モーニングショー『そもそも総研』の内容は大変ショックだった。同夜になって神奈川県の女性患者の死亡が伝えられたが、この方が新型コロナウィルスに感染していたことが分かったのは死亡後だったという事実が、『そもそも総研』で指摘された内容を如実に裏書きしている。どうしてこのようなおぞましい対応をしてきたのか、背景調査が必要だ。検査機能の政府独占、小口開放の背景に持病持ちの高齢者にはどんどん死んでもらいたいと政府中枢の誰かが考えていたとしたら、とんでもないことだ。データ改竄、公文書偽造の隠蔽体質政権に自浄能力はないので、是非是非、緻密な調査報道により背景事実を国民の目にさらして頂きたい。

    ②14日、15日と感染が明らかになった症例のうち、死亡・重篤(と伝えられる)の三例(神奈川県老齢女性、奈良県70歳代男性、北海道50歳代男性)について、これまでにPCR検査拒否に遭っていなかったかどうかを調査すべきだ。脳天気医師で無い限り、担当医はそれぞれ新型コロナウィルスの感染を疑い、地元保健所にPCR検査を要請していた筈であり、最後の最後になって検査が行われ、感染判明時にはすでに死亡、重篤という事例に違いないと推測するからだ。

    これが事実であれば、保健所を介して厚労省は、新型コロナウィルスの感染拡大に手を貸していたことになる。奈良県バス運転手の陽性判明事例において観光バス乗客の中に発症者がいなかったことは、その際の厚労省会見で確認済みだから、「不顕症感染がある」という中国保健当局の警告のみならず、自らも不顕症感染を認識していたことは間違いが無い。

    にもかかわらず、PCR検査拒否が事実であれば、「国民の健康と生命を守る」筈の要衝が「国民の健康と生命を損なう」新型ウィルスの感染拡大を手助けしていることになる。たとえ軽症であっても身内の間抜け検疫官(横浜)は「湖北省しばり」を自ら破って即刻PCR検査しているのに、治療にあたるそれぞれの医師の懇請にも拘わらず感染重傷者は「湖北省しばり」を口実に検査拒否してきたのが事実であれば、その底意を国民は知るべきだ。

    ③北京や上海で見られる市中除染の風景は決して「接触感染」「飛沫感染」「糞口感染」「エアロゾル感染」程度のレベルではなく「空気感染対策」レベルであることも認識すべきだ。今の北京や上海の風景は、明日の東京だということにいち早く思い至るべきだ。

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