横浜市長選、山中竹春氏は「NIH リサーチフェロー」の経歴への疑問にどう答えるのか

昨日(8月5日)のブログ記事【「小此木・山中候補落選運動」で “菅支配の完成”と“パワハラ市長”を阻止する!】で、横浜市長選挙への出馬を見送り、小此木八郎、山中竹春両氏の「落選運動」に転換することを表明し、同日午後4時から記者会見を行った。

 立憲民主党の山中氏擁立を殆ど独断で決定し、山中氏の候補者としての適格性について問題が指摘されても耳を貸さず、野党統一候補としての擁立に向けて「独断専行」してきた江田憲司氏(【横浜市長選挙、立憲民主党は江田憲司氏の「独断専行」を容認するのか〜菅支配からの脱却を】)が、昨夜22:19にフェイスブックを更新し、以下のようなことを書いている。

市大というのは、文字どおり、横浜市の一組織だから、市からの天下り官僚も多く、自民党や林現職サイドが何か調べよう、圧力をかけようと思えば簡単にできることなのだろう。  

江田氏が述べていることは、山中陣営へのブーメランそのものである。

私は、昨日の記事で、

「出馬表明後に、山中氏が市議会議員とともに横浜市大当局に対してとった行動」は、まさに、大学の自治を侵害し、公選法違反の疑いが生じるだけでなく、山中氏のパワハラ的な本性を露わにしたと言える

と指摘し、この市議会議員が、山中陣営の中心人物である花上喜代志氏であることも明らかにしている。

江田氏は「横浜市大当局に、何か調べよう、圧力をかけようと思えば簡単にできる」としているが、今回、横浜市大に実際に圧力をかけたのは、「自民党や林現職サイド」ではなく、立憲民主党サイドなのである。

江田氏が、このような「妄言」をネットで発信している間に、私が昨日のブログや会見でも指摘した山中氏の経歴に関する疑問は、ますます大きくなっている。

「リサーチマップ」という、研究者が業績を管理・発信できるようにすることを目的としたデータベース型研究者総覧があり、多くの研究者が活用しているが、山中氏は、そのリサーチマップに公開していた内容を、市長選出馬の話が表面化した段階で削除している。このことは、SNS上で、「何かやましいことがあるのではないか」と指摘されていた。

山中氏が削除したリサーチマップの経歴が、グーグルのキャッシュで確認できた。それによると、

「2002年 – 2004年米国国立衛生研究所 (NIH) リサーチフェロー」

との記載がある。

ブログでも述べたように、山中氏は、学歴について

「1995年 早稲田大学政治経済学部 卒業」

「2000年 早稲田大学大学院理工学研究科 修了」

としており、それだけ見ると、政治経済学部を卒業後、大学院に5年間在籍し、修士課程・博士課程を修了したかのように見える。しかし、一方で、山中氏が2008年に出版された数学の専門書の共著書(「一般化線形モデル入門 原著第2版:2008年」)では、

「1998年 早稲田理工学部数学科卒」

とされている。実際には、大学院在学は2年であり、修士課程しか出ていないことになる。

「NIHリサーチフェロー」というのは、「博士号を取得し、期間限定で更新可能な任命を受けているNIHの有給の職員」という意味である。早稲田大学理工学研究科の修士課程しか修了しておらず、博士課程は出ていない山中氏が「NIHの職員」リサーチフェローの経歴があったとは考えにくい。(山中氏の博士号は、「大学院博士課程で取得したものではなく「論文博士」であり、2003年5月に審査を受け、同年10月に審査結果が出たものだ。)

「NIH リサーチフェロー」の職にあったとすれば、研究歴にとって極めて重要な意味を持つものであり、2014年に、横浜市大医学部教授に採用された際も、履歴書に「NIH リサーチフェロー」と記載していた可能性が高い。医学部には山中氏のような生物統計の専門家はほとんどいなかったので、採用に当たって、山中氏の経歴の中の「NIH リサーチフェロー」は決定的な意味を持ったと考えられる。

もし、山中氏が、「NIH リサーチフェロー」を詐称していたとすると、横浜市大医学部教授の採用自体にも疑義が生じることになる。

1995年の学部卒から5年間、大学院に在籍したように見せかけているのも、博士課程を出ていない「リサーチフェロー」はあり得ない、ということと関係している可能性がある。

市長選挙出馬の話が表面化した時点で、山中氏はリサーチマップを削除したのであるが、研究者の経歴を持つ人間として、その実績をアピールして市長選挙に立候補するのだから、削除することは通常あり得ない。

8月8日告示の横浜市長選挙に立候補するのであれば、山中氏は、これらの疑問について自ら説明責任を果たすべきであろう。

また、「NIH リサーチフェロー」の経歴について、山中氏自身が、即座に十分な説明を行い、疑いを晴らすのであれば別だが、そうでなければ、横浜市大及び横浜市は、【「小此木・山中候補落選運動」で “菅支配の完成”と“パワハラ市長”を阻止する!】で指摘した「山中氏が花上市議会議員らとともに横浜市大当局に対して行った大学の自治を侵害する不当要求」の問題と併せて、山中氏の経歴について、教授採用の際に提出された履歴書等についても調査すべきである。

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横浜市長選、山中竹春氏は「NIH リサーチフェロー」の経歴への疑問にどう答えるのか への2件のフィードバック

  1. 匿名でお願いします。メールアドレスの名前のものです より:

    この件に関してはNIHに問い合わせればすぐに結論が出るのではないでしょうか

  2. 匿名 より:

    グーグルのキャッシュはいつ消えてしまうかわかりませんが、
    https://web.archive.org/web/20210615191246/https://researchmap.jp/read0132060
    ここできちんとアーカイブされています。

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