立憲民主党は、「パワハラ音声」を聞いても、山中氏推薦を維持するのか ~問われる候補者「品質保証責任」

横浜市長選挙の投開票日(8月22日)まで一週間を切り、マスコミ各社の情勢調査の結果が報じられているが、立憲民主党山中竹春氏が自民党系の小此木八郎氏をリードしているとする報道が相次いでいる。

先週末、市民インタビューを受けた際に聞いた話でも、街頭で、市長選の投票先を質問すると、山中氏との答が小此木氏を大きく上っており、新型コロナ感染爆発の中で、菅義偉政権のコロナ対策に対する怒りが、自民党系候補、特に、菅首相の全面支援を受ける小此木氏に対する強烈な逆風につながっているようだ。

このままの情勢が続くと、山中氏の当選という事態も現実のものとなりかねない。

しかし、山中氏については、パワハラ問題、経歴詐称問題、コロナの専門家ではないのに専門家であるように偽っている、などの多くの問題があり、市長としての適格性について重大な疑問があり、私は、立憲民主党側にもこの点についての説明責任を求めてきた(【横浜市長選、山中候補の説明責任「無視」の立憲民主党に、安倍・菅政権を批判する資格があるのか】)。しかし、これまでのところ、同党側には、説明責任を果たそうとする姿勢は全く見えない。

そこで、本稿では、山中氏のパワハラ問題について、決定的な証拠を提示し、このままでは、仮に、山中氏が、市長選挙で当選しても、重大な「品質保証責任」が問われざるを得ないことを指摘する。

山中氏のパワハラに関する情報入手

山中氏のパワハラ問題を、最初に指摘したのは、8月3日発売の週刊誌フラッシュのネット記事【横浜市長選「野党統一候補」がパワハラメール…学内から告発「この数年で15人以上辞めている」】であった。

私が、記者会見等で山中氏の「市長としての適格性」を疑問視し、ブログ(【横浜市長選挙、立憲民主党は江田憲司氏の「独断専行」を容認するのか〜菅支配からの脱却を】【私が横浜市長選にこだわり続ける3つの理由、「民意」「支配」「適格性」】)でも指摘するようになった7月下旬頃から、私の事務所には、多数の関係者から、山中氏に関する様々な情報が寄せられていた。

上記のフラッシュ記事は、そのような情報提供で私が把握していた内容に概ね沿うものだった。

しかし、一方で、山中氏が、フラッシュの報道に対して出したホームページでの反論の中で、フラッシュからの質問状を公開したことで、関係者の個人名が一時ネットにさらされ、関係者が様々な不利益を受ける事態になった。

山中氏は個人情報を黒塗りにしていたが、そのやり方が容易に関係者の個人名が判明するようなものだった。「データサイエンティスト」を標榜する山中氏が、そのことを予想しなかったとは考えにくく、被害者に対する報復の意図で個人名を晒した疑いも否定できない。意図的なものだとすると、目的のためには他者の立場を無視するパワハラ体質の表れだと言える。

このようなフラッシュ記事に対する山中氏の対応が、パワハラ被害者を、さらに心理的に追い込むことになった。パワハラ被害者は、もともとパワハラ被害を大学当局に申告することができなかった人達だ。フラッシュの取材に協力したかのように疑われたことで、山中氏から報復を受けることへの懸念は一層高まった。しかも、その山中氏が市長選挙で当選し、横浜市長になる可能性が現実のものとなっているのである。山中氏のパワハラ問題について情報提供し協力してくれた人達について、協力の事実が山中氏の側に絶対にわからないよう配慮することが必要となった。山中氏のパワハラの事実には確信をもっていたが、それを具体的に指摘することは容易ではない状況だった。

山中氏の横浜市大におけるパワハラの概要

私が把握した横浜市大での山中氏のパワハラは、概ね次のようなものであった。

  1. 外形的なパワハラ
    ・「お前なんか辞めちまえ!やめろ!」と大声で怒号。
    ・怒って話しながら机をバンバン叩く。
    ・電話の受話器(子機)やボールペンを机に向かって投げつける。
    ・教授室の冷蔵庫から製氷皿を取り出して怒りながらシンクの脇にバンバン叩きつける。
    ・大学関係者がいる前で、教室の出入り業者や製薬企業の営業を大声で怒鳴り叱責する。
     
  2. 権限を使った陰湿なパワハラ(被害者は部下の教員、秘書、事務職、大学院生等)
    ・ちょっとしたきっかけで、直接会うことをひたすら避ける。電話には出ないか、出ても聞かずに切られる。メールへの返信もない。意思疎通が殆どない状況で、疎ましく思われていると感じさせる。
    ・山中氏から解析業務を指示され実施したが、解析結果のズレなどがあると怒号。納期が近づくにつれ、電話やメールによる催促が頻繁となり、2週間程度土日や深夜構わず作業を行ったことで心身に不調をきたし、退職に追い込まれる。
    ・山中氏がデータセンターの責任者であった研究でデータ入力ミスが発覚し、山中氏から怒号を受け、その後仕事が与えられなくなり、最終的には退職となる。
    ・このような山中氏の陰湿なパワハラのために精神的に追い込まれ、適応障害等の精神症状に陥った被害者もいた。

「落選運動」の開始とA氏のパワハラ被害についての音声データ入手

8月5日に、私は、記者会見で、市長選への出馬意志を撤回し小此木・山中両候補の落選運動に転じることを明らかにした。その2日後の8月7日、郷原総合コンプライアンス法律事務所宛てに、「山中氏が横浜市長になることはコンプライアンス・ガバナンス上大変な問題を有しています」とするメールが届いた。メールを送ってくれたA氏から詳しく話を聞いたところ、A氏は山中氏のパワハラに遭い、その際のやり取りを録音した音声データも保存していることがわかった。A氏は、山中氏が市長になることは何としても阻止したい、自分の名前等が特定されない範囲で、私の「山中候補落選運動」に協力したいと言ってくれた。

A氏から聞いた山中氏との関わりの概要は以下のようなものだった(パワハラ被害者が特定されないよう、事案の内容を抽象化している)。

【概要】

山中氏は、一緒に仕事をしていたA氏に業務に関係のない不当な要求を繰り返していた。山中氏の要求はとても応じられるようなものではなく、A氏は、上司から、山中氏からの電話にでないよう指示されたので、しばらくの間、山中氏からの電話に出なかった。ところが、あまりにしつこく電話がかかってくるので、仕方なく電話に出たところ、山中氏は、「電話に出ろ!殺すぞ!」と言った後、さすがに拙いと思ったのか「殺すって言っても、社会的にな!」などと付け加えた。

その言葉を聞いて怖くなったA氏は、それ以降、山中氏からの電話を録音することした。その後も、山中氏からの不当な要求は続いた。山中氏との電話を録音した記録の一部が、以下の音声データである(被害者が特定されないよう、A氏の音声は消去し、山中氏の発言のうち、特定につながる可能性のある部分は消去している)。

[起こし] ()は消去部分

山中:だからそうやってねー、ごちゃごちゃごちゃごちゃ言ってねー、結局ねーかわすじゃないか君は。

(A:なんですか?)

山中:君はそうやってかわすじゃないか。

(A:いやいや…)

山中:こちらの要望を。それでさー、書けって言ったのにさー、書きもしないしさー。いやもう僕は最後の行動に出るからね。君が、君がわからない知らないような。ほんとにそれでもいいんだったらー、ほんと潰れるよ。

(A:先生、ですので、私は、)

山中:だから俺が言ってんのはー、いい?

(A:はい。)

山中:俺が言ってんのはー、(***)をお前に決めろなんて一言も言ってないじゃん。

(A:はい。)

山中:(***)しなければならない理由をディテールドに君が理解してるんだったらー、それを英語の文章にしてー、出せって言ってるだけじゃん。それを君ははいって言ったけどー、やらないじゃん。昨日のー、昨日中にそんな文面を送ってくる予定だったのにー、こんなん出しましたみたいなほんとかどうかわかんないようなメール出してさ。であげくの果てには(***)には言ってるとかさ。そんなやつのことなんて一言も知らないよ。

(A:前回のメールにも書きましたが、)

山中:もう終わり終わり終わり、終わりだ。もう終わり終わり終わり終わりだ。終わり終わり終わり終わりにしよ。終わりだ、もう。

 

【解説】

この山中氏とA氏のやり取りについて、A氏が特定されない範囲で、若干の解説を加えておこう。

ここで、山中氏がA氏に要求していることは、それを受け入れることはあり得ない、法的にも認められる余地のないことだ。要求自体が山中氏の明らかな権限逸脱行為だ。A氏がそれに応じないのに対して、山中氏は、「君はかわす」と言って非難している。

その要求に関して、山中氏はA氏に書面を書くことを要求していた。「書けといったのに」と言っているのは、その書面のことである。

それを拒否したA氏に対して、「もう僕は最後の行動に出るからね。君が、君がわからない知らないような」「ほんと潰れるよ」と言っているのは、山中氏が、A氏が、その先、仕事ができなくなるような手段に出る、それも、A氏がわからないところで、実行してやる、という露骨な脅迫だ。

「昨日中にそんな文面を送ってくる予定だった」というのは、山中氏側に一方的に言っているだけで、A氏が約束したことではない。それなのに、その書面を書かずに、メールで婉曲的に断ったことについて、「ほんとかどうかわかんないようなメール出して」と厳しく責めている。

そして、最後に、山中氏は、「もう終わり」と言い、「終わり」という言葉を13回も繰り返している。それは、山中氏のA氏に対する絶縁を意味する。

A氏は、結局、その要求に応じなかった。それは、もし、山中氏が、その先仕事ができなくなるような手段に出ても、A氏の側も法的な対抗手段など取りうる手段はあり、その手段に出ようと考えていたからだ。

A氏の場合は、そういう対応ができたから、山中氏に「潰される」ことはなかった。しかし、山中氏から、同じようなやり方で不当な要求を受け、対抗する方法がなければ、拒むことができず、応じてしまう人間が大部分ではないだろうか。

山中氏というのは、こういうやり方で、不当な要求を押し通していく人間なのだ。

山中氏のパワハラの事実を否定する余地は全くない

山中氏は、フラッシュの記事で報じられたパワハラの事実を全面否定しているが、上記の音声データが「山中氏のパワハラ」の何よりの証拠である。

私は、A氏の話を聞き、音声を聞き、背筋が寒くなる思いだった。不当な要求をここまで執拗に繰り返し、電話で恫喝する。少なくとも、下位、劣位の相手にそのような行為を繰り返したら、相手は、精神的に追い込まれ、メンタルを病むことにもなりかねない。その山中氏は、横浜市大の大学院研究科長、学長補佐という立場にあり、強大な権限を持っていた。そのような人物からパワハラ被害に遭った場合、報復をおそれ、大学やハラスメント委員会に申告などできないのは当然だ。たいていの被害者は、更なるパワハラから逃げるため、黙って職場を去っていくことになるのである。

フラッシュの記事が報じたパワハラの事実については関係者の話からもほぼ間違いないと確信していたが、A氏の話と音声データによって「山中氏のパワハラ」が客観的に裏付けられた以上、疑う余地は全くない。

山中氏が、横浜市大教授在職中に突然、市長選への出馬が報じられたことに関して、理事長・学長名で出された学内文書に因縁をつけ、大学当局に、山中氏の評価を含む文書を発出するよう強要し、『素晴らしい研究業績』などという山中氏を称賛する文言を含む文書を発出させた事実についても、市議会議員の関係者から情報提供を受け、文書も入手していた(【「小此木・山中候補落選運動」で “菅支配の完成”と“パワハラ市長”を阻止する!】)。常識をわきまえた人間であればあり得ない行為、山中氏のA氏への不当要求と構図は共通していると言えよう。

「パワハラ市長」就任は、コンプライアンス崩壊を招く

15人もの大学関係者が大学を去っていくことにつながった山中氏の市大内部でのパワハラも、学内文書発出の強要も、横浜市大が被害者の保護を確約した上で内部調査を行えば、容易に判明する事実だ。

自民党や菅政権への「大逆風」を追い風にして、仮に、山中氏が市長選に当選したとしても、選挙後、ただちに上記の各点が調査の対象とされるべきは当然だ。

調査の結果、上記の事実が判明した場合、山中氏を、そのまま横浜市長に就任させ、市長の絶大な権限を握る立場に立たせてもよいのだろうか。

地方自治体のコンプライアンスにとって最も重要なことは、外部からの不当な要求に屈し、市の利益、市民の利益を損なってはならないという「不当要求の拒絶」、そして、内部的には、自治体の組織内でのパワハラによって、職員のメンタルの問題、自殺等が発生することを防止する「パワハラ防止」である。毎年度、市役所内の様々なレベルで、コンプライアンス研修を積み重ねてきた重要な目的がそこにある。

「パワハラ市長」が誕生した場合、私がコンプライアンス顧問等として長年関わってきた「横浜市のコンプライアンス」が、たちどころに崩壊することは間違いない。

A氏は、私に、こう語っていた。

「私の場合は、山中先生の要求に屈しなかったので、結果的に大きな実害を受けることはありませんでした。しかし、普通、それでは済まないと思います。私は、山中先生には何の恨みもありません。パワフルに結果を出していくという面では、大変有能な人だと思います。しかし、山中先生が、「コロナの専門家」などという耳障りのいい言葉を刷り込む選挙活動のために、市長選挙で当選し、もし市長の権力を握ってしまったら、どれだけの人がパワハラの被害に遭い、辛い思いをし、不幸になっていくか想像もつきません。横浜市立大学において山中竹春という人物と関わり、仕事をした自分は、私のもつ情報(ある側面の情報)を提供して、312万人の有権者に投票の判断を頂きたいという一存で、郷原先生の事務所の公開アドレスに連絡をしたのです。」

立憲民主党の市長選候補者についての「品質保証責任」

山中氏のパワハラ疑惑を報じるフラッシュの記事に対して、立憲民主党の国会議員や県議・市議は【菅首相が負けられないため加熱する横浜市長選 山中竹春元教授がフェイクニュース被害】と題する記事を、反論のために引用してきた。

同記事では、

「山中元教授が務めた横浜市立大学もハラスメント委員会を設けている。公立大学だから、私立に比べて、ハラスメント対策はより厳しい。」

「大学側も『ハラスメント対策は厳正に行っている』と答えている」

「ハラスメント委員会に山中元教授を告発したケースは1件もない」

などを、山中氏のハラスメントを否定する根拠であるように述べている。

上記のA氏とのやり取りの音声を聞けば、山中氏のパワハラ疑惑を「フェイク」などと言い続けることができないことは明らかだ。

山中氏が、仮に、市長選挙で当選したとしても、上記の「パワハラ問題」により、同氏の市長としての適格性に対する重大な疑問に直面することになる。同氏と推薦した立憲民主党には「品質保証責任」を問われることになる。

それが、直前に迫っている衆議院総選挙で立憲民主党に大打撃を与えることになる。

そのような事態に至らないようにするためには、「パワハラ問題」について、早急に山中氏から聴取し、山中氏を「横浜市長となるに相応しい人物」として、市長選での市民の判断に委ねることができるのか、市長選挙に向けての対応を再検討することしかない。

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