10月31日に投開票される衆院選挙で神奈川8区に立候補している立憲民主党代表代行の江田憲司氏の落選運動を行っている。その趣旨については、【神奈川13区(自民)「甘利幹事長」と同8区(立憲)「江田代表代行」の落選運動で、“健全な民主主義”をめざす!】で述べたように、江田氏の、横浜市長選挙での山中竹春氏擁立に表れた、「民主的手続」や議論を無視した強権的手法、事実を隠蔽するためのマスコミ工作、正確な説明・理解を避け、「言葉のイメージ」で訴求する選挙活動、そして、その根底にある、徹底した有権者「愚民」視の姿勢など、江田氏の政治家としての本質を、神奈川8区の有権者に知ってもらうことだ。そのために、既に、落選運動チラシもホームページ(➡https://www.gohara-compliance.com/information)にアップしている。
その江田氏について、公職選挙に対する姿勢そのものが問われる問題が明らかになった。
江田氏の選挙公報に掲載されている写真が、過去の何回かの選挙の際に掲載された写真と全く同一であり、12年前の選挙の際と同じ写真を掲載しているのではないか、という問題である。
神奈川県の「選挙公報に関する条例」7条の委任に基づいて神奈川県選挙管理委員会が定めた公職選挙法令執行規程(選管告示)43条2項によれば、
「衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院(神奈川県選出)議員の候補者が選挙公報に掲載するために県委員会に提出する写真は、選挙の期日前6箇月以内に撮影した候補者自身の無帽、正面向上半身像のものでなければならない」
とされている。
立候補者予定者に配布される「選挙公報掲載のしおり」にも、
「選挙期日前六箇月以内に撮影したものに限られる」

とされており、選挙公報掲載申請にあたってのチェックリストにも、
「撮影年月日は、令和3年5月1日以降になっています(選挙期日前6箇月以内)」

という項目があり、ここに〇を付けなければ選管への立候補の届出ができない。
ところが、今回衆院選の選挙公報に掲載されている写真は、2017年の前回の衆院選挙での選挙公報に掲載されたものと、表情、ネクタイ等が完全に一致しており、同一の写真であるように見える。それどころか、遡って調べてみたところ、2014年、2012年、2009年、いずれもの選挙公報も今回と全く同一の写真のようだ。

上記の選管の規程に基づく選挙公報のルールは、候補者の経歴、身分、人となり、政策等について、正確な情報を公開するという選挙公報の目的から、候補者のイメージに大きく影響する写真を、できるだけ実像に近いものにし、有権者に正確な情報を与えるようとするものだ。それを10年以上前から同じ写真を掲載しているというのは、実際とは異なるイメージを与えて、有権者を欺くものと言わざるを得ない。
しかも、上記のとおり、候補者写真の撮影時期の制限は、選管の規程に反するだけでなく、選挙公報の提出書類のチェックリストにも含まれている。立候補者側が、ルールに違反していないか自ら確認しなければいけない事項だ。
当初、この江田氏の選挙公報の写真について情報を提供してきた人から、「6箇月以内に撮影した写真であるように装って、古い写真を選挙公報に掲載させることは、公選法の虚偽事項公表罪に当たるのではないか」との質問を受けた。
この点については、虚偽事項公表罪を規定する公選法235条1項で、対象となる事項が「候補者の身分、職業、経歴、政党等の所属・推薦・支持」に限定されていることからすると、候補者写真に関する問題は、虚偽事項公表罪には該当しないと考えられる(選挙ポスターに著しく古い写真を掲載することと同罪の関係についての衆参両院での質問主意書についての政府答弁もある。)
しかし、公職選挙で候補者の古い写真を使用することが問題視されたことを受け、選挙公報の候補者写真について「選挙期日前6箇月以内に撮影したものに限られる」というルールが各都道府県選管で明文化された経緯に照らせば、写真撮影時期に関するルールは、各候補者が公平な条件で選挙運動を行う上で重要なルールであり、それをあからさまに無視する江田氏の行為は、野党第一党の代表代行という要職にある候補者が行うべきことではない。
このような選挙公報のルール違反の疑いについて、江田氏の事務所や、ツイッター、フェイスブックのアカウントに、公開質問状を送付したが、期限にした昨日(10月28日)までに回答はなかった。
江田氏は、今回の選挙で有権者の審判を仰ぐのであれば、選挙公報のルール違反について、そのようなことを行った理由・経緯を、速やかに説明すべきである。
このように、12年も前の写真を選挙公報に掲載させて、若々しい自分のイメージで有権者を欺くといやり方は、江田氏の政治家としての本質にも関わるものだ。
江田氏の選挙に対する姿勢は、一言で言えば、「良いイメージを作って、耳障りの良いことを言っておけば、有権者は投票する。中身は関係ない」という、徹底した「有権者の愚民視」である。
江田氏の言葉で、同じように思ったことがある。
今年の6月10日、当時、横浜市のコンプライアンス顧問を務めていた関係で、市長選の動向にも関心を持っていた私は、江田氏と、市長選のことについて電話で話した。候補者の選定について、江田氏は、「素晴らしい候補者が複数手を挙げていて調整に困っている状況だ」と言っていた。その時の江田氏が言っていたことで残っているのは、「自民党側は、三原じゅん子を出してくる可能性が高い。それに勝てる候補を立てないといけない」という話だった。
確かに、当時、厚労副大臣だった三原じゅん子氏は、2016年の参議院神奈川選挙区では100万票を超える得票をして圧勝した実績があり、横浜市長選の自民党候補者として名前が上がっていた。しかし、マスコミの情報によれば、自民党の情勢調査の結果、市長選に出馬しても支持は意外に低いことがわかり、事実上、候補から外れたとも言われていた。
「三原さんのような経歴のタレントは、横浜市民も、国会議員はともかく、さすがに市長にしようとは思わないのでは?」
と私が言うと、江田氏は
「そんなことはない。三原じゅん子が街頭に出ただけで、誰もが、三原、三原になる。選挙はそんなもんだ」
というようなことを言っていた。
この時、江田氏の言葉を聞いて、要するに、江田氏は「有権者はバカだ。何も考えないでイメージだけで投票する」という考えなのだと思った。その後の言動にも、それは如実に表れている。
そのような江田氏の姿勢は、その後、横浜市長選挙に、周囲の反対にも耳を貸さず山中竹春氏の擁立を強行した後の、選挙期間中の発言にも表れている。山中氏の選挙運動を付きっ切りでサポートしていた江田氏は、街頭で山中氏と並び、
「コロナの専門家の山中さんに市長になってもらって、外出して飲んで食べて遊べる普通の生活を取り戻しましょう!」
「山中さんは、コロナの専門家だけでなく、医学部教授だから医療や介護の専門家!」
などと横浜市民に訴えていた。
山中氏は、「生物統計」が専門で、医師でも医学の専門家でもない。ましてや、コロナの専門家ではなく、介護など、全く無関係である。このようなことを街頭演説で平然と言ってのける江田氏の姿勢は、イメージや見せかけを作り上げれば票になると考えているという点で、12年前の写真を選挙公報に掲載するのと共通するものだ。
江田氏は、立憲民主党の代表代行(経済政策担当)として、この選挙で、同党の経済政策をアピールしているが、その政策も、「有権者向けの見せかけ」に過ぎない。10月28日のBSフジ「プライムニュース」に出演した江田氏が、「NISA(少額取引非課税制度)、積立NISAにも金融所得課税を課税」と発言したことがSNS上で話題になっている。
この際のやり取りを見ると、江田氏は、そもそもNISAという制度自体を理解していないように見える。欧米と比較して個人の株式保有比率が低く、個人投資家の証券取引が少ない日本で、個人の証券取引を増やすことは、重要な政策課題であり、NISA、積立NISAも、個人の証券取引の裾野を広げるために導入されたものだ。そのような証券税制の基本すら理解しないで、野党の経済政策として金融所得課税を論じているとすれば、凡そ論外と言わざるを得ない。
政治家・江田憲司氏の正体は、今回の選挙で一層露わになったと言えよう。
今回の選挙では、神奈川8区の有権者の皆さんに、「江田憲司氏の騙し」に引っかからないよう訴えるため、選挙期間最終日の明日、横浜市青葉区で、単独で、街頭での落選運動に立とうと考えている。
郷原さんのお陰で立憲民主党に感じていた違和感の背景がよく見えて来ました。立憲がまともなら、森友・加計・桜で安倍政権はとっくに消えていた筈です。政権交代を阻んできたのは立民の不人気不甲斐なさです。今回の選挙の後に、もう一度選挙が必要ですね、真の政権交代の為には。