山中竹春横浜市長、請願審査委員会での追及に「虚言」連発。市長の存在自体が「横浜市民にとっての”災難”」

 12月15日、私が横浜市会に行った「横浜市大への不当圧力問題」の事実解明等の請願が付託された政策・総務・財務委員会で、花上喜代治、今野典人議員の出席、市大の小山内いずみ美理事長、相原道子学長の参考人としての出席、そして、山中竹春市長の「説明員」としての出席の下、請願審査が行われた。

 市長が「説明員」として市会常任委員会に出席するのは、中田宏市長時代の2003年以来18年ぶりであり、しかも、市長選挙の直前に、市会議員とともに、横浜市大に「大学の自治」を侵害する不当な圧力をかけた重大な疑惑の当事者としての出席だったことで、その答弁の内容が注目された。しかし、2時間半にもわたる質疑に対する答弁は、自分の言いたいことを一方的に述べただけで、客観的に明白な事実についても「記憶にない」と答えたり、定例会見での自らの発言とも齟齬する「言い逃れ」を重ねるなど、誠実に答弁する姿勢は全くなかった。

 私が、市長選挙前に、山中竹春氏の「市長としての適格性」に疑問を持ったのは、直接、間接に山中氏を知る人達から、彼の専門性、パワハラ体質、経歴詐称の疑いなどの様々な問題についての情報提供があり、「絶対に横浜市長にしてはならない人物」であるとの真剣な訴えがあったこと、医療情報学、データサイエンスの専門家、医師など様々な立場の人達からも、山中氏に関する公表資料から、能力・資質等に対する根本的な疑問があるとの声が寄せられていたことからだった。市長就任以降も、山中氏に関する問題を繰り返し指摘してきた(【「市長選問題」から「横浜市政の重大問題」となった“山中竹春氏のウソと恫喝”】など)。

 今回の答弁で、山中竹春という人物が横浜市長であることが横浜市民にとって「災難」であることが明白になったと言えよう。 

 請願審査の対象になっているのは、次のような問題だ。

 山中氏は、2021年6月30日に、横浜市大教授、学長補佐大学院研究科長を退職し、同年8月の横浜市長選挙への立候補の意志を表明した後の7月19日から24日の間に、今野市議及び花上市議とともに、市大側に対して、同年6月16日に理事長、学長名義で全教職員にメール送付された学内文書の「山中先生とは連絡がつかない状態が続いている」との記載があったことに抗議し、7月26日に、理事長・学長名で、訂正・謝罪させる学内文書を全職員にメール送付させた。

 7月24日の土曜日の朝に、小山内理事長らを市役所市議会棟に呼び出した際には、「連絡がつかない状態」は事実無根であり、「上司である林市長に忖度し、対立候補の活動を妨害するものだ」などと述べて非難し、理事長・学長名での上記6月16日付け文書の訂正・謝罪を含む学内文書の発出を要求し、「市民にSNSやインターネット上で不誠実を知ってもらった方がよいとも考える」「コンプライアンス違反で訴え厳正に対処することも考えている」などと、理事長らを威迫するような発言をしたことが、請願審査において提出された市大側作成の「面談記録」から明らかになっていた。

 昨日の委員会では、山中氏が出席する前の、花上、今野市議に対する質疑で、今野市議は、小山内理事長らへの発言は、ほとんどが山中竹春氏であったと述べた。そして、山中氏と同時に参考人として出席した小山内理事長は、7月24日の山中氏らとのやり取りは、それらの発言を記載した面談記録のとおりであったと明言した。

 つまり、7月24日面談での上記のような山中氏の小山内理事長らに対する発言は、客観的に明白になっていたのである。

 ところが、山中氏は、「上司である林市長に忖度し、対立候補の活動を妨害するものだ」「SNSやインターネットで理事長・学長の不誠実を市民に知らせる」「コンプラ違反で訴える」などと述べたことについて、その趣旨について質問を受けたのに対して、「記憶にない」と述べ、「面談記録は一字一句正確とは限らない」との発言を繰り返した。

 そもそも、山中教授の市長選出馬意向が一斉に報じられた6月16日の学内文書発出の時点では、自民党市議団が市長選挙で現職の林市長を支援しない方針を明らかにしており、林市長出馬の可能性は低いと見られていた。「林市長への忖度」などというのは全くの言いがかりだ。そのような因縁をつけて、市会議員とともに、学内文書の訂正・謝罪を求めたことが不当圧力として問題にされている。その問題の核心である「市長に忖度した」との発言について問われても、山中氏は「記憶にない」と言って「かわす」のだ(私が、市長選挙の際に公開した、山中氏の市大取引業者の【恫喝音声】の最初は、「結局ねーかわすじゃないか君は」との言葉から始まる)。

 一方で、直前まで、市大教授、学長補佐の立場にあったのだから、自分で理事長に連絡をして学内文書の訂正を求めれば済むことなのに、なぜ、市会議員を通じて、市大理事長との面談を求めたのか、と問われると、自分の行動の正当性を強調したいのか、「市大を退職して一私人になった人間にとって、市大の経営トップの理事長に会うことがいかに難しいことかを御理解頂きたい」などと述べ、「一私人の立場では困難だったから市会議員という政治家を使って面談を求めた」こと、面談のためには政治的圧力が必要だったことを事実上認めるのである。しかも、それを何回も繰り返し述べるのである。このような発言を行う思考回路は異常というほかない。

 そして、何より、驚愕したのは、山中氏は、9月に、同じ常任委員会でこの問題の請願審査が始まった前後の市長定例記者会見で自らが発言したことと全く異なる答弁をしたことだ。

 9月17日の会見では、フリーのジャーナリストの畠山理仁氏の質問で、以下のようなやり取りをしている(横浜市HP「市長定例会見」)。

記者:

横浜市大のメール問題について伺います。事実確認をさせていただきますが、6月29日の出馬表明会見で、現在は元教授という立場で良いかという質問に対して、2週間前、つまり6月15日に辞職の意思をお伝えし、先週退職届を出したところです。辞表も受理されているとおっしゃっています。それで、昨日の本会議で、6月16日に横浜市大が出した、連絡が取れない状況が続いているというメールの内容について、連絡が取れないということはなかったと明言をされました。その上で伺いますが、辞職の意思を伝えたのは、どなたにお伝えになられたのか。また、6月16日の文書に連絡が取れない状況が続いていると書かれていたということは、つまり学長または理事長のいずれかが嘘をついていたと主張されるということでよろしいんでしょうか。

市長:

出馬表明は6月29日だったと思いますが、その時は2週間ぐらい前と言っていた、日にちは明示しなかったと思いますが、私が辞意を表明したのは、6月18日の金曜日の夕方から夜にかけてです。理事長にご連絡を差し上げました。6月16日にこのようなメールを一斉に出され、その時はまだ調整中という段階でしたが、このようなメールもあり、立候補前でしたが、6月18日に辞意を伝えざるを得なくなったというのが実態です。

 ここでは、「6月18日の金曜日の夕方から夜にかけて、理事長に連絡して辞意を伝えた」ということを明確に述べている。

 しかし、そうなると、学内文書が発出された16日の翌日の17日に東京新聞(【横浜市長選、IR反対派の横浜市大・山中教授が出馬意向】)、18日には神奈川新聞の取材に応じて「立憲民主党などの野党勢力の推薦や支持を得られれば出馬する意向」を明らかにしていることとの関係が問題になる。

 理事長・学長が、連絡がとろうとしても電話がつながらずに焦っていたのと殆ど同じタイミングで、山中氏は、東京新聞の取材に答えて出馬の意志があるとコメントしていたのである。  

 9月30日の会見では、読売新聞の記者から、6月16日に市長選への出馬の意向が報じられた後のマスコミへの対応等について質問され、以下のように答えている。

記者:

16日に、不誠実と思われるということで訂正を求めたということですが、おそらく17日か18日に山中市長の方から横浜市大に連絡をしたかと思いますが、その前の16日にマスコミの取材に応じて、17日の紙面になっているわけですが、横浜市大への連絡よりも先にマスコミ対応を優先したのは何か理由があるのでしょうか。

市長:

16日にマスコミの対応をしたとは、どちらの。

記者:

東京新聞さん

市長:

東京新聞さん。そちらは私の電話宛てにコンタクトがあり、出てお話をさせていただいた次第です。

記者:

それより前に横浜市大に連絡するということはお考えにならなかったのでしょうか。

市長:

その時新聞さんにも申し上げたとおり、まだ私自身は候補者として選定されるかどうかが未確定の状態でした。実際に様々な過程を経て、最終的に29日に立候補させていただいたわけですが、記者さんに申し上げましたが、そのような事実、そのような予定はあるのかと言われまして、もし皆様のご了承が得られれば、関係各位の立候補を考えていますということを回答したと思います。

 この会見では、理事長・学長が、山中氏に連絡がとろうとしても電話がつながらずに焦った末、学内文書を発出したのと殆ど同じタイミングで、山中氏が、東京新聞の取材に答えて出馬の意志があるとコメントをしたことを認めているのである。

 山中氏は、理事長・学長に自ら連絡をとろうともせず、一方で、マスコミの取材に対して出馬の意向を認めていた。その時点で「連絡がつかない状況が続いている」と記載した学内文書が事実無根だとして訂正・謝罪を求めることを正当化する余地は全くない。

 ところが、昨日の委員会では、山中氏は、なぜ自ら理事長・学長に連絡をとらなかったのかと質問され、

多くの電話がかかってきていたが、応対できる余裕がないほどの人生の岐路に立たされていたので、すべての電話に反応する余裕がなかった。16日に出馬意思が報じられたことを受け、翌17日に、理事長に辞意を伝えた。

と述べたのである。

 会見では「6月18日の金曜日の夕方から夜に」理事長に連絡して辞意を伝えたと言っていたのに、委員会では「17日」に伝えたと答弁した。

 6月18日の夕方から夜ということだと、東京新聞、神奈川新聞の取材に、野党側の推薦があれば出馬すると伝え、それが報じられた後に、理事長に辞意を伝えたということになり、大学への対応よりマスコミ対応を優先していたことは否定できない。

 ところが、委員会での答弁では、「人生の岐路に立たされ思い悩んでいた最中に、マスコミが出馬を報じ、理事長・学長名の学内文書がメール送付されたので、その翌日に学長に連絡して辞意を伝えた」と述べた。人生の岐路に立たされていたことから「致し方ない対応」だったと説明したのである。

 これが、市議会常任委員会に、18年ぶりに「説明員」として出席を求められて「横浜市長」の答弁である。市議会で質問されても、自分に都合の悪いことは、はぐらかし、その場凌ぎのウソを答える、という不誠実極まりない態度が露わになった。このような市長の姿勢を放置して、二元代表制の下での健全な市長と市議会との真剣な議論など到底維持できない。

 本日(12月16日)、開かれる委員会で、請願に対する採決が行われることになっている。山中氏の答弁はウソだらけで、市大側の説明とも大きく乖離しており、不当圧力問題の事実解明が十分に行えたとは到底言えない。

 しかし、説明員として常任委員会に出席した山中氏の態度を見る限り、再度常任委員会に出席を求めても、真摯な答弁を行うことは期待できない。そういう意味では、このまま請願審査を継続することに意味があるとも思えない。しかし、今回の請願について、地方自治法 100条による法的権限を伴う正式な調査をすることは容易ではない。

 今回の請願は、当初、市会議員2名による市大への不当圧力を問題にし、その後、山中氏が市会の本会議で自ら関与を認めたことから、請願の対象を市長の不当圧力に拡大したものだが、市会議員の問題としても市長の問題としても、地方自治法100条の法的権限に基づく調査になじまない面があることは否定できない。

 市会議員が主体であれば、「当該普通地方公共団体の事務に関する調査」として行うことに問題はないが、昨日の委員会審査で、2名の市会議員は、山中氏に依頼されて、市の当局を通じて市大側に面談を求めたというだけで、主体的な関与ではないことが明らかになった。市会議員としての行為について100条の法的権限による調査を行う程の案件ではない。

 他方、市長自身を主体と見ると、「市大教授を退職し、市長に就任する前、一私人であった時の問題」であり、「横浜市の事務」に関する問題とは言い難いことが、100条の調査を行うことの支障となる。

 しかし、横浜市会として放置できない問題となったのが、18年ぶりに「説明員」として出席した市長が、客観的に明白な事実についてもまともに答えず、定例会見答弁と齟齬する答弁まで行って、質問をはぐらかしたことである。その答弁の姿勢は、まさに市長と市議会との関係という「横浜市の事務」に関する重大問題である。この点について、今後、本会議等で追及するのは当然だし、その答弁如何では、委員会での答弁自体の問題について100条委員会の設置も十分に考えられるところである。

 山中氏の行為については、むしろ、請願書でも指摘した、「市民にSNSやインターネット上で不誠実を知ってもらった方がよいとも考える」「コンプライアンス違反で訴え厳正に対処することも考えている」などと「名誉に対する害悪」を加えることを告知して、市大理事長らに「義務のないこと」を行わせようとした刑法の強要罪の成立の方が問題である。この犯罪の嫌疑ついては、請願審査によって、上記の発言があったこと、それが山中氏のものであることが明らかになり、しかも、6月16日の学内文書が事実無根だとして訂正・謝罪することが「義務なきこと」であったことも明白になった。請願審査の結果を受けて、刑事事件としての捜査によって真相解明を図り、山中氏の刑事責任の有無を明らかにしていくべき案件だと言える。

 今回の不当圧力問題について山中氏を刑事告発することについての相談が、多数の市民や市大関係者から、私の元に寄せられている。

 今回の請願自体は不採択となるのも致し方ないと言えるが、請願審査を通じて、様々な事実が明らかになり、「山中市長」の本性が露わになったことも事実だ。今後の横浜市会側の対応を見守りつつ、刑事告発についての検討を進めていきたいと思う。

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